7月14日(木)、埼玉県宅建会館にて衆議院議員の西村康稔先生を講師に「新しい資本主義の実現 -コロナ後の未来と我が国経済再生の処方箋-」をテーマとした政経フォーラムが開催されました。
「安倍元首相銃撃事件」の震撼が冷めやらぬ中、清和政策研究会(安倍派)の事務総長も務める西村講師は、文字通り分刻みのスケジュールであり、公務も大変ご多忙ではございましたが本会との関係を尊重くださり予定通りご講演いただきました。
都心へのアクセスの良さ、子育てに適したゆとりある暮らしが実現できる埼玉の優位性を理解されている西村講師は、政治経済情勢と自民党の展開する施策を伝えることで、内需の要である私ども不動産業界との効果的な連携を築こうとシャープで怜悧な語り口から熱心にご講義を下さいました。
まず、安倍元総理と親密に交流し間近で見つめ続けたご経験から、報道では知り得ない意図や裏話なども披露されましたが、安倍元総理は各国の指導者との交際も常に国益を見据えて信頼関係を結ぶことを念頭にされていた点を伝えました。
そして、「コロナ」については変異を続け感染力が強まる一方、弱毒化する傾向の中で重症化防止のためにワクチン接種率を上げていくことで、社会活動や経済との両立を図っていく方針を説明し、行動規制には現時点では慎重であることを語りました。
また、経済についても日本は統計上で2.1%の物価上昇となるが、エネルギーと生鮮食品を除いた「コアコア」と呼ばれる物価指数の上昇率は0.8%であり、経済が過熱した物価高騰ではないため、日銀は引き続きマイナス金利による金融緩和を維持し、円安の悪影響は「支援金」などの財政政策でカバーすることを説明されました。
更に、所得向上と賃上げの重要性を強調。優秀な人材の海外流出を危惧する西村講師は、当面の対策と同時並行で経済成長やイノベーションを果たさなければならない問題意識を述べ、円安効果により最高利益を上げている輸出企業の収益を活用した対策を検討したい意向を語りました。
私ども不動産業界においては物件の仕入れや住宅ローンなどの金利は据え置かれる一方、円安効果で資材価格は高騰し人件費などのコストも上昇しております。景気の影響を受けにくい家賃相場ではありますが、生活・経営環境の厳しさから賃料滞納や空室増加も懸念され、住宅販売等も不振となる恐れがあります。 会員業者においては経済情勢の先行きと政策効果などを考慮した上で、ビジネスを展開していくことが肝要であり、西村講師の語ったことは今後の経営判断や業界の求める政策を考慮する上で非常に示唆に富むものでありました。